シリアで拘束されている安田さんとの交渉について

安田純平さんとみられる人物が、助けを求める画像が公開されましたね。この事態と、それについて僕自身が考えたことを記そうと思います。

 

 

まず、ヌスラ戦線はISと活動場所が近く、また同じシーア派ではあるようですが、ISとは互いに敵対する組織のようですね。僕も名前は聞いたことがありましたが詳しくは知りませんでした。

 

安田さんは、2015年6月にシリアに入り、そこで拘束されたとみられています。もう1年近く経つわけですが、日本政府との水面下での交渉はずっと続いていたようです。

ヌスラ戦線が提示する金額は、100万ドル(日本円にして11億円)と、昨年ISが後藤さん・湯川さんそれぞれに提示した200億円とはだいぶ開きがありますね。

 

これが今回、以前の二人ほどニュースで大きく取り上げられない理由なんでしょうか?

ヌスラ戦線は、「交渉に応じないようならISに引き渡す」と言っていますから、そうなれば大きく取り上げられることもあるかもしれません。

 

今回の「助けてください。これが最後のチャンスです 安田純平」というのは、ヌスラ戦線側が書かせているわけではないという情報もあります(The Japan Times)。ですが昨年も、身代金の有無がコロコロ変わったり、情報が錯綜しているようですからどこまでが本当なのかはわかりませんけどね。

 

 

ここで自己責任論が吹き荒れるのも想像に難くないです。特に安田さんがシリア入りしたのは、件の二人が殺害された後なわけですから。

 

 

 

ここからは僕の個人的な考えです。

 

日本政府は、もちろん安田さんの救出に全力を傾けるべきです。たとえ彼が日本を出る前に日本政府を批判していたとしても、あるいは彼が自分の意志で危険を承知でシリアへ向かったとしても。

 

ただ、その義務が政府にあるということと、11億円を実際に支払うかどうかというのは完全に別の話だと思います。ここで11億円を支払えば、おそらく彼は帰ってくるでしょうが、その代償として現地で何千人もの人が傷付き、命を落とすことになります。加えて、テロリストの資金源を断ついうのは各国での取り決めとといって過言ではないでしょう。それを先の伊勢志摩サミットで確認したばかりですしね。また、一度でも支払う姿勢を見せると、そこに付け込まれるということも考えられます。

 

少しの犠牲を以って、結果としてより多くのものを守る。そういう考え方が必要なのではないでしょうか。

 

トランプ氏とブレトンウッズ体制

第二次世界大戦終了後から、その勝者であるアメリカ主導のブレトンウッズ体制が敷かれてきたわけですが、トランプ氏の登場により、それが大きな転換期を迎えていますね。

 

ブレトンウッズ体制とは、アメリカがソ連から世界を保護するために築き上げたものです。他国の貿易船の通航を保護し、加えて同盟国を軍事的にソ連から守る。これによって比較的な安定が、世界にもたらされたと言えると思います。

 

しかし、冷戦が終了してソ連はロシアとなったわけですが、その影響力は以前のソ連ほどのものではないわけで、アメリカは多大な軍事費を使う必要はなくなりました。

 

そのような時代になって、トランプ氏のように、他国よりもまず自国のことを第一に考えるという主張をする人物が名乗りをあげるのも、必然と言えるのでは?というのが僕の考えです。

 

そうなったとき、これまでアメリカの軍事力に頼っていた国々は、自国の存続のために、とくに防衛について今まで以上に真剣に向き合わなきゃいけないんじゃないんでしょうかね。もちろん日本もそのうちの一国です。